-
葛西 薫
ご夫婦だろう。この表情とポーズ、なんともほほえましい。そして背後の坂道がこれまでの歩んだ二人の道のりを想像させる。眼下には室蘭らしい風景、偶然なのか衣装と傘がそれぞれの姿とそろっていて、雨の日だったからこそ生まれた画面構成が実に巧みです。
-
辻 佐織
今までに何度も撮影されたポイント。ここで勝負することはなかなか難しいとされる中で、大賞を受賞するには総合力が必要だと思う。どんよりとした天気の中にパッと目をひくオレンジ色。センターに立つ被写体に対して、少し斜めに下っていく道の構図など、演出がかなり入っているにも関わらず最終的には、老夫婦のほっこりさが静かに残る温かい作品。
-
山口 一彦
大賞は、審査員が全員票を入れた写真である。第一回目から審査をしているが、全員一致は初めてのことだと思う。この写真は室蘭の地形、街並み、工場、坂道など写っていて室蘭の日常を感じられる。人物は目線が優しく室蘭の人柄がよく出ているし濡れた路面、どんよりした空気感。そして人物の洋服、傘の色合い、買い物かご。自然な演出が見事である。
-
浅田 政志
被写体と街並みが絶妙に溶け合う、隙のない完璧な一枚です。それに、生活の苦労と喜びが同時に表現されていて、奥行きがあるのも魅力です。撮りフェスでこのような写真を見たかった!と、拝見した瞬間に思いました。高山さん、素晴らしい写真を撮って頂き本当にありがとうございます!そして大賞おめでとうございます!
-
田村 広司
一見スナップ写真に見えるが、入念に準備し撮影されたセットアップ写真。練り上げられたコンセプトをスナップで見せる手法は、写真家アレック・ソスを想起させる。「工場風景」「坂」は室蘭を表現、1つのカゴをシェアすることで物語性も強くなる。情報量の多いテクニカルな写真、選ばないわけにはいかないでしょう!!